SkEyesBox

基本構成

SkEyesBoxは高速でポイントクラウドを生成するマッピング装置です。 高精度GPSINSとレーザー距離計、回転するミラー機構が主な構成要素です。 レーザー距離計から発せられたレーザービームが回転するミラーに反射し、地形を輪切りするように計測します。 GPSINSより得られるSkEyesBoxの位置、姿勢、ミラーの角度と回転速度、レーザーセンサの出力距離を統合し、レーザービームが当たった箇所の3次元位置を絶対位置で出力します。 GPSINSはSkEyesが開発した拡張カルマンフィルタで構成されており、RTK-GPS使用時には数十mmの位置精度を誇ります。IMU,GPS,レーザー距離計はns(ナノ秒)オーダーで同期されています。


レーザー距離計は最大毎秒12,000回(12KHz)計測を行います。ミラーは通常20Hz(最大30Hz)で回転します。
SkEyesでは最大毎秒80,000回(80KHz)で計測を行うレーザー距離計を開発しています。 ポイントクラウドの密度は単位時間当たりのレーザーサンプル量と、機体の移動速度によって決まります。 同じ密度を得るのに、高速に計測できると、高速に移動できることになり、計測作業の時間短縮を実現できます。

ユーザーインターフェイス

SkEyesBox側面には二つのボタンが上下に並び、その横にLCDディスプレイ、その下にはコンパクトフラッシュソケットとアクセスランプがあります。
計測現場で実際に操作するのはこの二つのボタンのみです。

User Interface
  1. 現場についたら上空の見通しのよい場所にSKEYESBOXを置く
  2. 電源を投入し起動を待つ(約30秒)
  3. 起動後、上ボタンを押し、INSの初期化完了まで動かさずに待つ(約2分)
  4. 上ボタンを押して計測開始、ミラーが回ります
  5. 下ボタンを押して計測終了、ミラーが停止します

これだけで、コンパクトフラッシュカードに計測データが記録されます。
電源投入後の操作は、Wifi,Ethernet,無線モデム等が使える場合は遠隔制御も可能です。

リアルタイムモード

リアルタイムモードは計測データを瞬時に利用できます。 運用中にレーザーサンプルの情報(3次元絶対位置)をSKEYESBOX内外で利用することができます。例えば、地面との相対距離を計算して高度制御を行うことができます。
このモードではGPSINSが高精度に保たれるため、計測完了後コンパクトフラッシュカードのデータをすぐに活用することが出来ます。
Wifiや無線モデムなどを使ってRTK-GPSのための補正情報をSKEYESBOXに伝送する必要があります。約19200bpsの帯域が必要です。
Wifi接続が利用出来る場合、リアルタイムポイントリンク、リアルタイムDEMリンク機能を使用できます。

ポストプロセスモード

ポストプロセス(後処理)モードはスタンドアローンモードとも呼ばれます。SKEYESBOXと地上との通信が一切使用できない場合、このモードを使います。
このモードでは、GPSはシングルモードで運用されるため、GPSINSの位置精度は数mまで悪化します。計測完了後、GPSの後処理、INSの後処理を行うことで、リアルタイムモードを凌駕する精度のポイントクラウドを得ることができます。(リアルタイムモードでも、ポストプロセス用のデータは記録しているため同じく後処理を行えます)
GPSの後処理には国土地理院などの公共基地局のGPSデータを使うこともできますし、独自に用意した2周波GPSのデータを既知の位置に置いて取得したGPSデータを利用することもできます。

スペック

PDFファイルをダウンロードして下さい。

  1. スペックシート SkEyesBox.pdf 377K
  2. 運用形態ブロックダイアグラム skbox_block.pdf 92K

計測データ例

こちらのページを御覧ください。

オプション

skGCS

skGCSはSkEyesBoxとリンクされた地上のモデム,基地局GPS,PC間の通信制御を行う装置です。
PCを必要とせずに基地局GPSの設定やGPS後処理データのログ,SkEyesBoxの制御を行うことができます。 PCを使用した場合にはPC上でもSkEyesBoxや基地局GPSの状態を監視/制御することができ、skFMSを利用して自律航行システムを使用することもできます。

skGCS

カラライザ

SkEyesBoxにカメラを接続し、レーザーサンプルに色情報を付加することができます。FireWireカメラ、GPSが接続可能なNikon社製のデジタルカメラを使用することができます。
FireWireカメラはSkEyesBox内に内蔵することができ、画像は高精度なタイムスタンプ情報と共にコンパクトフラッシュカードにその他のデータと一緒に記録されます。
Nikon社製デジタルカメラを使用する場合は、SkEyesBoxがレリーズ制御を行い、高精度なタイムスタンプ情報をNMEA信号に偽装したシリアルデータをカメラに送り込みます。

自律航行制御

SkEyesBoxには無人ヘリコプタの自律航行制御ソフトウェアを搭載することができます。GPSINSの情報、レーザーのリアルタイム情報を飛行制御に利用します。
地上局にはskFMSを使用し、Wifiか無線モデム+skGCSを使用する必要があります。通信が途絶えると離陸点まで自動帰還します。地上局からの速度指令、ウェイポイント指令を忠実にこなします。